
『1.はじめに』
「片付けてもすぐに散らかってしまう」「物があふれて部屋が狭く感じる」「どこに何があるか分からなくなる」…このような収納に関する悩みは、多くの方が抱えている共通の課題ではないでしょうか。特に現在の住まいで収納スペースが不足していると感じている場合、日々の暮らしのストレスに直結してしまいます。
収納家具を増やしても、部屋がさらに手狭になったり、結局うまく片付けられなかったりすることも少なくありません。そこでおすすめしたいのが、「内装リフォームによる収納の確保」です。
内装リフォームなら、間取りや既存のスペースを有効活用し、家族構成やライフスタイルに合わせた最適な収納を計画的に作り出すことができます。単に物をしまう場所を増やすだけでなく、家事動線や生活動線を考慮した使いやすい収納は、日々の暮らしを劇的に快適にしてくれます。
この記事では、収納不足を解消するための具体的な内装リフォームアイデアを場所別にご紹介します。さらに、プロの施工業者だからこそ知っている、収納を最大限に活かすためのテクニックや、リフォームを成功させるためのポイント、費用や期間の目安についても詳しく解説いたします。
これから収納リフォームを検討したいとお考えの方はもちろん、「リフォームで本当に収納不足が解消できるの?」と疑問をお持ちの方も、ぜひ最後までご覧ください。
『2.なぜ収納が不足するのか?あなたの家の収納問題を徹底分析』
収納が不足する原因は、単に収納スペースが少ないだけではありません。多くの場合、いくつかの要因が組み合わさっています。リフォームを始める前に、まずはあなたの家でなぜ収納が不足しているのか、その根本原因を探ることから始めましょう。考えられる主な原因は以下の通りです。
①物の増加「ライフスタイルや家族構成の変化」
・結婚、出産、お子様の成長など、家族構成が変化すると、それに伴って物も増えます。
・趣味が増えたり、在宅ワークになったりなど、ライフスタイルが変わることで必要な物や道具が増加します。
・「いつか使うかも」と物を手放せずにいると、収納スペースはあっという間にいっぱいになります。
・通販の利用やサブスクリプションサービスの普及により、意識せずとも物が家に入ってきやすい環境になっています。
②間取りと収納スペースのミスマッチ
・新築時や中古物件購入時に、現在の生活や将来的な変化に必要な収納量や種類が考慮されていなかった。
・収納スペースが特定の場所に偏っており、必要な場所に必要な量の収納がない。
・収納スペースがあっても、奥行きがありすぎて奥の物が取り出しにくい、高さがありすぎて上部がデッドスペースになっているなど、使い勝手が悪い。
③既存収納の使い勝手の悪さ
・押入れのような形式の収納で、布団の出し入れには便利でも、他の物を収納するには奥行きが深すぎたり、段が固定されていて使いにくかったりする。
・古いタイプのシステムキッチンで、引き出し式ではなく開き戸式のため、奥の物が取り出しにくく収納効率が悪い。
・各部屋に十分な収納がなく、結局リビングなど共有スペースに物が集まってしまう。
④収納計画の不足
・物を収納する場所やルールが決まっていないため、どこに何をしまえば良いか分からず、出しっぱなしになってしまう。
・必要な収納量が把握できていないまま、収納家具を買い足してしまう。
・家族それぞれの物の量や使用頻度を考慮せず、画一的な収納しか用意されていない。
これらの原因を踏まえることで、「どこに、どのような収納が必要なのか」がより明確になり、リフォームで解決すべき課題が見えてきます。
『3.【場所別】収納不足を解消する内装リフォームアイデア集』
それでは、家の中の様々な場所で収納不足を解消するための具体的なリフォームアイデアを見ていきましょう。それぞれの場所の特性や収納したい物に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。プロの施工技術によって、見た目の美しさと使い勝手の良さを両立させることが可能です。
リビング 「家族が集まる場所をスッキリと快適に」
・リビングは家族が集まり、多くの時間を過ごす場所です。テレビ周り、読み物、ゲーム、子どものおもちゃ、ブランケットなど、様々な物が集まりやすく、最も生活感が出やすい場所の一つと言えます。
リビングの収納リフォームアイデア
壁面収納(造作・システム)
・壁一面を使った大容量の収納は、リビングの収納不足を根本的に解消できます。テレビボードと一体化させたり、飾り棚と組み合わせたりすることで、機能性とデザイン性を両立できます。
・造作収納は、部屋の形やサイズに合わせてミリ単位で設計できるため、デッドスペースなく設置できるのが最大のメリットです。まさに「かゆいところに手が届く」収納を実現できます。
・システム収納は、既成のユニットを組み合わせて作るため、造作よりも比較的費用を抑えられる場合があります。多様なユニットからライフスタイルに合ったものを選べます。
プロの施工テクニック
・壁の構造を正確に把握し、収納家具の重量に耐えられるように適切な補強を行います。
・コンセントや照明の配線計画を事前にしっかり行うことで、使い勝手を良くし、見た目も美しく仕上げます。
・扉の有無や素材、色などを周囲の内装に合わせて選定し、空間に調和させます。
ニッチ収納
・壁の厚みを利用して埋め込む収納です。奥行きは浅くなりますが、本や小物、飾りなどを収納するのに最適です。出っ張りがなく、空間を圧迫しないのが魅力です。
・階段横の壁や廊下など、ちょっとしたスペースに設けることができます。
プロの施工テクニック
・建物の構造上、設置可能な壁と不可能な壁を見極めます。
・壁の内部にある筋交いや断熱材などを考慮して、最適な位置とサイズを決定します。
・内部にダウンライトなどを設けることで、ディスプレイとしての役割も持たせられます。
デッドスペース活用
・窓の下、ドアの上、ソファの背面など、これまで活用されていなかったスペースに棚やカウンターを設けることで、新たな収納を生み出せます。
プロの施工テクニック
・既存の窓枠やドア枠との取り合いをきれいに納めます。
・採光や通風を妨げないよう配慮して設計します。
・落下防止の手すりや、角の丸み加工など、安全性にも配慮します。
キッチン「効率的な家事動線とスッキリした空間を実現」
・キッチンは食器、調理器具、食品ストック、家電など、非常に多くの物がある場所です。物が整理されていないと、調理効率が悪くなるだけでなく、不衛生になりがちです。使いやすく効率的なキッチンは、日々の家事の負担を軽減してくれます。
キッチンの収納リフォームアイデア
パントリーの新設・拡張
・食品ストックや飲料、使用頻度の低い調理器具などをまとめて収納できるパントリーは、キッチンの収納力を格段に向上させます。独立した部屋タイプや、キッチンの一角に設けるタイプなどがあります。
プロの施工テクニック
・適切な場所を選定し、冷蔵庫やゴミ箱のスペースも考慮した配置にします。
・内部に可動棚を設置することで、収納する物のサイズに合わせて高さを調整できるようにします。
・湿気や臭いがこもらないように、換気扇や換気孔を設置することを検討します。
背面収納の充実
・キッチンのコンロやシンクの背面スペースにカップボードや家電収納を設置します。食器だけでなく、調理家電や食品ストックの一部も収納できます。
プロの施工テクニック
・キッチンのワークトップの高さや奥行きに合わせて、使いやすい高さ・奥行きの収納を選定・設置します。
・家電を置く場所に適切な数のコンセントを設置します。
・蒸気が出る家電のための蒸気排出機能付きのユニットなども提案可能です。
引き出し収納への変更
・開き戸タイプの既存収納を、奥まで有効活用できる引き出し式に変更することで、収納量と使い勝手が向上します。
プロの施工テクニック
・既存キャビネットのサイズに合わせて、適切な引き出しユニットを選定または造作します。
・引き出し内部に仕切りやケースを組み合わせることで、より整理しやすくする提案も可能です。
吊り戸棚の見直し
・高い位置にある吊り戸棚は、物の出し入れが大変でデッドスペースになりがちです。必要な量に見直したり、昇降式の吊り戸棚に交換したりすることで、使い勝手が向上します。
プロの施工テクニック
・設置場所の天井や壁の強度を確認し、安全に設置します。
・身長や使用頻度を考慮して、最適な高さや奥行きを提案します。
玄関・廊下 「家の顔をスッキリと機能的に」
・玄関は家族だけでなくお客様も迎える場所です。靴はもちろん、傘、外出時に必要な小物、子どもの遊び道具、ベビーカー、スポーツ用品など、意外と収納したい物が多い空間です。廊下もデッドスペースになりがちな場所ですが、上手に活用することで収納スペースを生み出せます。
玄関・廊下の収納リフォームアイデア
シューズクローク・土間収納
・玄関脇や奥に設けることで、靴だけでなく、ベビーカー、外遊びグッズ、ゴルフバッグ、アウトドア用品なども収納できます。土間続きにすることで、汚れたままの物も気兼ねなく置けます。
プロの施工テクニック
・十分な換気ができるよう、窓や換気扇の設置を検討します。
・内部に可動棚やハンガーパイプを設置し、多様な物を収納できるように計画します。
・照明を設置し、物の出し入れがしやすいようにします。
壁面収納・ニッチ収納
・玄関ホールや廊下の壁面に、奥行きの浅い収納棚やニッチを設けます。鍵置き場や飾り棚としてだけでなく、スリッパ収納や季節小物の収納にも使えます。
プロの施工テクニック
・廊下の幅を圧迫しない奥行きで計画します。
・照明計画と組み合わせることで、空間を広く見せる効果や、ディスプレイ効果を高めます。
廊下壁面の活用
・廊下の片側の壁に沿って、奥行きの浅い本棚や飾り棚を設置します。圧迫感が出ないように、色や素材選びも重要です。
プロの施工テクニック
・避難経路としての廊下の機能を損なわないように、適切な奥行きと配置を計画します。
・地震対策として、壁への固定をしっかり行います。
寝室・子供部屋 「プライベート空間を整理整頓」
・寝室や子供部屋は、主に衣類や寝具、個人の持ち物を収納する場所です。物が多すぎると落ち着けない空間になってしまいます。それぞれの部屋を使う人の物の量やライフスタイルに合わせた収納が必要です。
寝室・子供部屋の収納リフォームアイデア
ウォークインクローゼットの新設・拡張
・一部屋をクローゼットにしたり、既存のクローゼットを拡張したりすることで、衣類を中心に大量の物をまとめて収納できます。着替えのスペースも確保できます。
プロの施工テクニック
・部屋の形状や動線を考慮して、最適な入り口の位置や内部の棚・ハンガーパイプの配置を計画します。
湿気対策として、換気扇や換気孔の設置、調湿機能のある壁材の採用などを検討します。
システムクローゼット・造作棚
・既存の押入れを解体し、内部にハンガーパイプや可動棚を組み合わせたシステムクローゼットに作り替えます。衣類だけでなく、箱物や季節物なども効率よく収納できます。
プロの施工テクニック
・押入れのサイズに合わせて、内部のパーツを最適な組み合わせで設置します。
・棚板の耐荷重を考慮し、重い物を置いても安心なように施工します。
壁面収納・ベッド下収納
・部屋の壁一面に本棚や飾り棚と組み合わせた収納を設置したり、ベッドの下の空間を引き出し収納として活用したりします。
プロの施工テクニック
・壁の強度を確認し、収納家具を安全に設置します。
ベッド下収納を造作する場合、通気性を確保するための工夫を行います。
洗面所・脱衣所「狭い空間でも収納力を確保」
・洗面所や脱衣所は、タオル、洗剤、シャンプー、化粧品、ドライヤー、着替えなど、比較的小さな物が多いですが、種類が多く煩雑になりやすい場所です。また、多くの場合それほど広いスペースではありません。限られた空間をいかに有効活用するかが重要です。
洗面所・脱衣所の収納リフォームアイデア
洗面台一体型収納の交換・増設
・収納力の高い最新の洗面化粧台に交換することで、ミラー裏収納や引き出し収納が増え、小物や洗剤などをスッキリ収納できます。
プロの施工テクニック
・既存の給排水管の位置に合わせて、最適な洗面台を選定・設置します。
・洗面台の高さや位置を、使用する家族に合わせて調整します。
リネン庫・壁厚収納
・洗面所や脱衣所の一角に、タオルや下着、パジャマなどを収納できるリネン庫を新設します。壁の厚みを利用したニッチ収納も、小物収納に役立ちます。
プロの施工テクニック
・湿気がこもりやすい場所のため、換気対策を考慮して設計します。
・壁の構造上、設置可能な場所と深さを確認して提案します。
吊り戸棚
・洗面台の上や洗濯機の上に吊り戸棚を設置することで、デッドスペースを有効活用できます。使用頻度の低い物やストック品の収納に適しています。
プロの施工テクニック
・設置場所の壁の強度をしっかり確認し、落下しないように固定します。
・使用する人の身長を考慮して、物の出し入れがしやすい高さに設置します。
階段下・小屋裏など「見過ごしがちなデッドスペースを活用」
・家の中には、構造上できてしまうデッドスペースが存在します。階段下や小屋裏、床下など、これまでは物置になっていたり、全く活用されていなかったりしたスペースも、リフォームで有効な収納空間に生まれ変わらせることができます。
デッドスペース活用の収納リフォームアイデア
階段下収納
・階段下の斜めの空間を活かして、扉付きの収納や引き出し収納、オープン棚などを設置します。掃除用具、日用品のストック、子どものおもちゃ、季節家電などを収納できます。
プロの施工テクニック
・階段の構造躯体を傷つけないように注意して施工します。
・内部の形状に合わせて、無駄なく使える棚や引き出しを造作・設置します。
・照明を設置し、暗くなりがちな空間で物が探しやすくします。
小屋裏収納
・使用していない屋根裏空間に床を張り、収納スペースとして活用します。季節家電、レジャー用品、思い出の品など、使用頻度の低い物を大量に収納できます。
プロの施工テクニック
・断熱材をしっかりと施工し、温度や湿度の影響を受けにくくします。
・安全に上り下りできるよう、固定式の階段やハシゴを設置します。
・照明と換気扇の設置は必須です。
床下収納
・キッチンや洗面所などの床下に収納庫を設けます。食品のストックや掃除用具など、温度変化の影響を受けにくい物を収納できます。
プロの施工テクニック
・床下の構造を確認し、設置可能な場所を選定します。
・湿気対策として、基礎の換気を妨げないように配慮します。
『4.プロが教える!収納リフォームを成功させる施工テクニックとポイント』
単に収納スペースを確保するだけでなく、使いやすく、見た目にも美しい収納を実現するためには、プロならではの知識と技術が必要です。ここでは、収納リフォームを成功させるためのプロの施工テクニックと重要なポイントをご紹介します。
デッドスペースの徹底活用
・壁と壁の間、梁の下、柱の横など、これまで「仕方ない」と諦めていた隙間や空間を、ミリ単位の採寸と造作家具の技術で余すことなく収納スペースに変えます。既成品の家具では生まれてしまう隙間も、造作ならピッタリと納めることが可能です。
壁の厚みを利用した埋め込み収納(ニッチ)
・構造上可能な壁であれば、壁の厚み(一般的に10cm程度)を利用してニッチを設けることができます。出っ張りがなく、廊下などの狭い空間でも有効な収納になります。下地補強をしっかり行うことで、重さのある物を置くことも可能です。
可動棚や引き出しの採用でフレキシブルな収納に
・収納する物や量の変化に対応できるよう、棚板の高さを自由に変えられる可動棚は非常に有効です。また、奥の物も簡単に取り出せる引き出しは、特にキッチンや洗面所、クローゼットの内部で真価を発揮します。収納するものに合わせて内部ユニットを自在に組み合わせることで、使い勝手が格段に向上します。
照明計画と収納
・収納内部や周辺に適切な照明を設けることで、物が探しやすくなるだけでなく、空間全体が明るくおしゃれな印象になります。特にウォークインクローゼットやパントリーでは、内部照明が必須と言えるでしょう。ニッチ収納などをライトアップすれば、ディスプレイ効果も高まります。
扉の種類と選び方
・収納の扉は、見た目だけでなく使い勝手や安全性にも関わります。
引き戸: 開閉スペースが不要で、通路側に物を置ける。開口部が全て開かないタイプが多い。
開き戸: 開口部を大きく取れるが、手前に開けるスペースが必要。
折れ戸: 開閉スペースが小さく、開口部も比較的広く取れる。クローゼットなどでよく使われる。
扉なし(オープン収納): 物が探しやすく、換気性も良いが、見た目を綺麗に保つ必要がある。
・それぞれの場所や収納する物、必要な開口幅などを考慮して最適な扉を提案します。
素材選びとメンテナンス性
・収納内部の素材は、耐久性や清掃性、調湿性などを考慮して選びます。例えば、湿気のこもりやすい場所では、調湿効果のある素材や通気性の良い棚板などがおすすめです。表面材の色や柄も、部屋全体の雰囲気に合わせて提案可能です。
耐荷重を考慮した設計
・本棚や家電収納など、重い物を収納する可能性がある場所では、棚板や壁の補強をしっかり行い、十分な耐荷重を確保します。特に造作収納の場合は、何を収納するかをヒアリングし、それに合わせて構造を設計します。
換気・通気対策
・クローゼットやパントリー、シューズクロークなど、密閉されがちな収納スペースは湿気や臭いがこもりやすい場所です。窓の設置が難しい場合は、換気扇や換気孔、通気性のある扉や内部素材などを組み合わせることで、カビや結露を防ぎ、収納物を良い状態で保ちます。
既存構造の見極めと補強
・壁に収納を設置したり、間取りを変更して新たな収納スペースを作ったりする際には、既存の建物の構造を正確に把握することが非常に重要です。耐力壁をむやみに撤去することはできませんし、梁の位置なども考慮が必要です。プロの施工業者であれば、建物の構造を見極め、必要な補強を適切に行うことができます。
・これらのテクニックを駆使することで、見た目の美しさだけでなく、実際に使ってみて「便利だ」「片付けやすい」と感じられる、質の高い収納リフォームが実現できます。
『5.収納リフォームの費用と期間の目安』
収納リフォームにかかる費用や期間は、リフォームする場所、収納の規模、造作か既製品か、使用する素材や設備など、様々な要因によって大きく変動します。ここでは一般的な目安をお伝えしますが、あくまで参考としてお考えください。正確な費用や期間については、必ず専門業者に見積もりを依頼してください。
費用目安(一般的な工事の場合)
壁面収納(リビング): 30万円 ~ 100万円以上(規模や造作かシステムかで大きく変動)
パントリー新設(1畳程度): 20万円 ~ 50万円程度(広さや内部造作、扉の種類などによる)
既存押入れをクローゼットに変更: 15万円 ~ 40万円程度(内部造作や扉の交換などによる)
階段下収納の設置: 10万円 ~ 30万円程度(規模や扉の有無などによる)
洗面所・脱衣所の収納増設: 5万円 ~ 30万円程度(洗面台交換含むか、棚設置のみかなどによる)
ニッチ収納の設置: 5万円 ~ 15万円程度(サイズや箇所数による)
工期目安
簡単な棚の設置やニッチの設置: 1日 ~ 数日
既存押入れをクローゼットに変更: 2日 ~ 1週間程度
壁面収納やパントリーの新設(比較的小規模): 1週間 ~ 2週間程度
複数の箇所をまとめてリフォームする場合や、大規模な造作を含む場合: 2週間 ~ 数週間以上
費用を抑えるためのポイント
既存の構造や間取りを可能な限り活かす: 大幅な間取り変更を伴うリフォームは費用が高額になりがちです。既存の壁や柱、押入れの空間などをうまく活用できないか検討しましょう。
リフォーム箇所を絞る: 一度に全ての収納をリフォームするのではなく、特に困っている場所や優先度の高い場所から段階的にリフォームするのも一つの方法です。
既成のユニット収納なども検討する: フルオーダーの造作収納は自由度が高い反面、費用も高くなります。既成のシステム収納で対応できる箇所は活用することで費用を抑えられます。
内装材などを工夫する: 収納内部の仕上げ材をシンプルなものにするなど、素材のグレードを調整することで費用が変わります。
補助金制度について
収納リフォームに特化した公的な補助金制度は、特定の省エネリフォームやバリアフリーリフォームなどに比べて少ない傾向にあります。ただし、お住まいの自治体によっては、リフォーム全般に対する助成金や、特定の目的(例:子育て世帯向け、高齢者向け)のリフォームに対して補助金が用意されている場合があります。
現在(2025年5月時点)で、国が実施しているリフォームに関する大型の補助金制度としては、「子育てエコホーム支援事業」の後継となる新たな補助金制度が検討・実施されている可能性があります。しかし、その詳細や収納リフォームが単体で補助の対象となるかなどは、制度の内容によって異なります。
最新の正確な情報については、お住まいの自治体の窓口や、リフォームを依頼する専門業者にご確認いただくことを強くお勧めします。 専門業者であれば、利用可能な補助金制度について最新の情報を把握している場合が多く、申請のサポートも受けられることがあります。
『6.失敗しない収納リフォームのために』
計画から完成までの流れ
収納リフォームを成功させるためには、事前の準備と計画が非常に重要です。以下に、リフォームの一般的な流れをご紹介します。
①現状分析 「何を、どれだけ収納したいか具体的にリストアップ」
・まずは家の中の物を全て把握し、「どこに」「何を」「どれくらい」収納したいのかを具体的に考えましょう。物の量や種類、使用頻度などをリストアップすることで、必要な収納のタイプや量が明確になります。
・現在の収納の「困っている点」「改善したい点」も整理しておきましょう。
②優先順位付け「どこからリフォームしたいか」
・家全体を一度にリフォームするのが難しい場合は、特に収納に困っている場所や、日々のストレスが大きい場所から優先順位を付けてリフォームを検討しましょう。
③専門家への相談「経験豊富なプロにヒアリングしてもらう」
・いくつかのリフォーム会社に相談し、現地調査とヒアリングをしてもらいましょう。収納に関する悩みや希望を詳しく伝えることが重要です。プロの視点から、建物の構造や間取りを踏まえた上で、最適な収納プランの提案を受けることができます。
・収納リフォームの実績が豊富で、こちらの話をしっかり聞いてくれる信頼できる業者を選ぶことが大切です。
④プランニングと打ち合わせ「納得いくまで話し合う」
・複数の業者から提案されたプランや見積もりを比較検討します。収納場所、タイプ、デザイン、費用、工期などをしっかり確認し、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。
・家族全員で話し合い、使いやすい動線やデザイン、必要な機能について意見を出し合うことも重要です。
⑤契約と工事「いよいよリフォーム開始」
・プランと見積もりに納得したら契約を結びます。工事期間中の生活についても事前に確認しておきましょう。
・工事中は、必要に応じて現場の状況を確認し、気になる点があれば担当者に相談します。
⑥引き渡しと確認「仕上がりをチェック」
・工事完了後、業者と一緒に仕上がりを確認します。依頼通りの収納が計画通りにできているか、傷や汚れはないかなどをしっかりチェックしましょう。
『7.まとめ』
快適な暮らしは適切な収納から
収納不足は、日々の生活に小さなストレスを積み重ね、家全体を居心地の悪い空間にしてしまう可能性があります。しかし、適切な内装リフォームを行うことで、この収納問題を根本的に解決し、快適で豊かな暮らしを手に入れることができます。
リフォームによって生まれた、家族構成やライフスタイルにぴったりの使いやすい収納は、物を整理整頓しやすくするだけでなく、家事効率を向上させ、探し物の時間を減らし、心の余裕を生み出してくれます。また、物が適切に収まることで、部屋が広く感じられ、インテリアもより魅力的に映えるようになります。
「どこから手をつけて良いか分からない」「どんな収納が自分たちに合っているのだろう」といった疑問や不安をお持ちの場合は、ぜひ一度、収納リフォームの専門家にご相談ください。プロの視点と経験豊富な知識で、お客様一人ひとりの悩みや希望に寄り添い、最適な収納プランをご提案いたします。